2018年3月12日月曜日

墨 I seem to polish a thing, a sword rubbing against a sumi.









すみ(sumi)、ボク(boku)<英> ink-cake

朝起きて一通りその日の準備を終えると必ず行っていたことが、
「墨をする」こと。
この業界では、
「墨を研ぐ」と使ったりします。
多分、筆は剣に勝る。ということからかもしれません。
幕末にはまさにそうなったわけでもありますから。

「何となく毎日の日課に取り入れたら、
漂う香りや、独特の音に何かがしっかり立ち上がってくれることに、
気づき始めました。」

2012年に起こしたこのブログの下書きでは、
こう書いていたのですが、
はっきり言って、今の僕にはむず痒い文章だな。
と、恥ずかしくなります。笑

今は、毎日は研いでいません。
確かに、日課として行うことはとっても大切なことだと思います。
けれども、三年くらいそれを続けみて、
その時間を書くことに使いたいな。と、閃いたからです。

今は、墨を研ぐことに費やす日を設けています。
それも、受注が入った時や、どうしても今日はこれがしたい。
というときです。

黒はもともと煤(すす)のことをいい、
これに土を混ぜて固形にしたので、この字が出来上がります。
やがて、漆や龍脳といった香料が加えられるようになりました。

「墨墨(ぼくぼく)と」墨をする。
などと使いますが、黙々と。という意味です。

情熱の焔は、いつも静かに燃えているもの。
激しく燃える炎は眩しすぎるし、周囲を焼き尽くすので、
いずれ鎮火されます。

僕の焔は、小さくゆらゆらと、
佇むように燈されていたいのです。